町は変わったけど、子どものころの記憶はよみがえる。
いろいろな田舎の町並み。
今では鳥取県の中で観光客が一番来ます!
「水木しげるロード」
わたしの実家は弓ヶ浜半島にあります。この半島の前は日本海で、半島の先に境港という小さな港町があります。子どものとき、この町に遊びに行きました。でも、町には人もあまりいないし、何もありません。魚のにおいがするだけでした。
それがいまは観光客がたくさん来て、県で一番の観光地になりました。実は、ここで妖怪のマンガ「ゲゲゲの鬼太郎」の作者、水木しげるさんが生まれたんです。それで、妖怪で町が有名になりました。町を「水木しげるロード」として、新しく作りました。わたしは妖怪が好きなので、このアイデアに拍手と喝采をしたいです。
ふつうの商店街でしたが、
いまはすべておみやげ屋になっています
「水木しげるロード」のオープン前は、ほかの地方都市とおなじように、ここも営業をしていない店が多く、お店が開いていても「開店休業」のシャッター商店街になっていました。
「水木しげるロード」ができてからは、たくさんの観光客が来ますから、そのためにほとんどの店がおみやげ屋さんになりました。わたしもいろんな鬼太郎グッズをここで買いました。静かな町が、にぎやかな観光地になってしまって、驚きました。でも、町が生き返り、人々が元気になってよかったと思います。
今の子供たちが大きくなったら、今度は水木しげるロードが懐かしい町の景色になるのでしょうね。
路地で「ろくむし」
子どものころ、よく遊んだのは「ろくむし」というゲームです。二チームに分かれてボールを投げ、陣地を行ったり来たりする遊びです。毎日、「ろくむししょいや!(ろくむしやろうよ)」と言って、近所の路地に集まって遊んでいました。
こんなせまいところでよくボール遊びができたなあ、と思うのですが、せまい路地には、車が来ないので、安全だったんでしょう。「ろくむし」のほかには、「ぺったい(メンコ)」、「ビー玉」など、いろいろな遊びを路地でしました。路地はいまでもたくさん残ってます。でも「ろくむし」をしている子どもたちは見ませんでした。
ザリガニ捕りをした川
小学校の近くの新加茂川で、友だちと放課後にざりがにやかえるを捕まえたりしました。学校から帰るときに「ザリガニとらいや(ザリガニ捕まえようよ)」とだれかが言うと、みんな急いで集まって、川までおりてザリガニを探しました。フナや雷魚もいるので、つり糸や引っかけ針で捕まえました。
先日久しぶりに訪ねてみると、この川に沿って、「彫刻ロード」ができていました。国内外の彫刻家の作品が並んでいるんです。ザリガニ捕りをした昔からの風景と、新しい文化的な雰囲気が調和していて、不思議な気持ちになりました。
あやしい…?!ここは温泉の街
私が育った町の海側に温泉の街がありました。小さかった子どもの私にとって、同じ街の中だけど、なかなかいけない遠いところ、あまり近づいてはいけないところ、というイメージがありました。子どもたちはみんな、大人が遊ぶところだと理解していたのだと思います。
その温泉街は1990年代のバブルのころが一番にぎやかだったそうです。しかし、いまは使っていないところも増えて少しさびしくなっています。このように、町がさびしくなってますますあやしくなったようにかんじます。
マスター
私のふるさとは鳥取県の米子です。鳥取県は日本で一番人口が少なくて小さいんです。大きな都市もなくて、昔から小さくまとまっているところです。それでも、久しぶりに町を歩いて、よく見てみると、子どものときとはずいぶん変わっていました。それを見て、さびしかったり、びっくりしたり…。